失ってから気づくな
本当に大切なものは、失って初めて気づく、ということがありますよね。
突然、失った家族や恋人、仲間たち。
でも、そんな日が来るなんて、夢にも思わずに過ごしている人が大半です。
ですから、普段は大切であるはずの人たちを、ついないがしろにしてしまうことがあると思います。
ちょっとしたことで喧嘩になっても、自分は悪くないと言い張って、相手を思いやる気持ちなんかありません。
だけど、そのあとで相手が突然の死を迎えたならば、自分がどうでもいいことで、揉めていたことに気がつくでしょう。
相手が死ぬとわかっていれば、絶対に揉めることはなかったはずです。
また、相手が死ぬなんて思っていないために、いつも甘えたり無理なことを言ったりしてばかり、ということもあると思います。
自分がしていることが、相手に負担をかけているなんて、露ほども思いません。
でも、その相手が死を迎えることになると、自分が求めてばかりで、相手に何もしてあげていなかったことに、気づかされるのです。
気づいた時には、時すでに遅しです。
どんなに泣こうが喚こうが、どうすることもできません。
そんなことは、昔からドラマや映画、小説などに、うんざりするほど出て来ます。
また現実の話としても、自分の身の回りに、そんな話があるのを、見聞きしたことがあるはずです。
それなのに、自分はそんな場面には縁がないと信じているのか、全くの他人事として受け止めてしまうのです。
その結果、大切な人を失い、後悔することになるのです。
人は必ず死にますから、大切な人といずれは別れることになるのは、どうしようもありません。
問題はそこではなく、そうなるのがわかっているはずなのに、一緒にいられる時間は限られているのに、その間に相手を思いやることを、して来なかったという愚かさを悔やむのです。
相手が死を迎える際に、後悔の涙を流すのなら、初めから相手を大切にするべきでしょう。
どれだけ大切にしても、やはり別れはつらく悲しいものです。
それでも、こんなことができたね、あれは楽しかったよね、と言える想い出があることは、互いにとって何よりの幸せなのです。
本当に大切なもの、大切な人や大切な想い出は、失う前から、それが大切であることを、よく心に刻んでおいた方がいいでしょう。