衣装と自分 その5
自分の性格が気に入らなくても、これが自分なんだと、あきらめて悲しむ人もいるでしょう。
でも、生まれた時には無垢な心でいたことを、忘れないで下さい。
また、見た目の性格が、本当はとても素敵な性格なのかもしれません。
世の中に蔓延している、ゆがんだ価値観を受け入れてしまったために、本来の素敵な性格を、ゆがんだレンズで眺めているだけかもしれないのです。
とにかく、これが今の自分であって、変えることはできないし、どうすることもできないと、嘆く必要はありません。
性格や個性を作り上げているものは、生まれてから心が身に着けた、様々な価値観や考え方でできているからです。
それらの価値観や考え方は、衣装を着替えるように、いつでも別なものに交換することができます。
それができないのは、それをしてはいけないとか、そんなことができるわけがないという、誤った思い込みです。
この思い込みもまた、知らない間に、どこかですり込まれてしまった考え方なのです。
何かに失敗したら、もうやり直しがきかないとか、自分が置かれた状況が変わらない以上、何をどうやっても代わるはずがないとか、そんな根拠のない考え方が、まことしやかにすり込まれていると、自信がなくなって、自分を変えることができなくなるのです。
いろいろ邪魔をするネガティブな考えはあるでしょうが、そういうものは全て脇に置いて、今日から自分はこの考え方で行ぃこうっと、と決めてしまえばいいのです。
そうすることを自分に許してやると、考え方がいとも簡単に変わります。
ついさっきとは別人になれるのです。
何もお芝居の舞台に立って、別の人物を演じる必要はありません。
自分が採用する価値観や考え方を変えれば、その瞬間から自分は別人になれるのです。
私たちは世界の一部ですから、私たちが変われば、属している世界も変わります。
状況が変わらないから、自分が変われないのではなく、自分が変わらないから、状況が変わらないのです。
自分が楽しく過ごすために、お気に入りの衣装を身に着けるように、古い価値観や考え方を捨てて、自分がいいなと感じる価値観や考え方を、取り込んでしまえばいいのです。
何もむずかしいことはありません。
お前、変わったなと言われるでしょうが、それは褒め言葉です。
ありがとうと言って、新しい自分を楽しみましょう。