笑いの効能 その2
笑いは心の中をきれいにしてくれますが、中には却(かえ)って心を汚す笑いもあります。
それは本来の笑いとは異なる、とても質の悪い低級な笑いです。
どんな笑いかと言うと、それは誰かを貶めたり、見下したりする笑いです。
誰かの顔や姿を笑いの種にしたり、誰かがひどい目に遭って、怒ったり泣いたり苦しんだりするのを見て、笑うものです。
それは、他人を思いやる気持ちの欠如を意味していますし、他人を下に見ることで、相対的に自分自身を上に見ようとする、自信の欠如でもあります。
人間が人として成長すると、自分以外の人の気持ちを、思いやれるようになります。
また、自分に自信を持って、誰の目を気にすることなく、自分を表現できるようになります。
それは人としての喜びですし、他人を思いやる気持ちを持っていますので、自分が好きなようにすると言っても、決して他人を傷つけるようなことはしません。
誰かの不幸を笑ったり、誰かを見下す笑いは、人間の成長という視点で見ると、かなり成長の度合いが低い状態と言えます。
もちろん、誰しもそんな笑いを経験したことはあるでしょう。
私だってあります。
だから、そんな笑いをしている人たちを、だめな奴だと決めつけて、見下したり罰を与えようとしてはいけません。
それは、その人たちがしているのと、同じことになるからです。
つまり、あなた自身がその人たちと、同じレベルになってしまうということです。
では、どうすればいいのかと言うと、その人たちに、本当の笑いを教えてあげることです。
また、人が苦しむのを笑いたくなってしまう、その人たちが置かれた状況を、変えられるように手を貸してあげることです。
そうすれば、その人たちは早くその状態から抜け出して、本当の笑いを追求するようになります。
そんな人が一人でも増えれば、それだけ世の中は明るく楽しいものになるでしょう。