何に意識を向けるのか その3
今、あなたは何に目を向けているでしょうか。
今、あなたは何に夢中になっているのでしょうか。
今、あなたは何を不安に思っているでしょうか。
今、あなたは何を望んでいるのでしょうか。
あなたが目を向けている物、あなたが意識を集中させていることが、今のあなたの世界を創っています。
たとえば、病気になった人が、自分の病気に目を向けるとします。
そして、この人は自分の病気は、不治の病だと信じています。
こうなると、この人の心は不安で一杯になります。
何をやっても、自分はもうだめだと思って、楽しくありません。
この人の見ている世界は、不安一色で塗りたくられたものになっています。
ところが、同じ病気になった人でも、この病気は治るのだと理解しているとします。
しかし、そのためにはどうして病気になったのかを、きちんとわかっておかねばなりません。
この人は病気を治すことを考え、それに向かって生活を改善させます。
それに伴って、これまで注意を払って来なかった、様々なことに気がつくようになります。
それが自分が死ぬことよりも、大切なことだったとわかったこの人は、病気を治すことよりも、本当に大切なことの方に、意識を集中させるようになります。
この人の世界は、喜びの色にあふれるようになり、気がつけば病気も治っているのです。
たとえば、お金がなくて生活に困っている人がいます。
そして、この人はお金がなければ、生きていけないと信じています。
こうなると、この人の心は不安で一杯になります。
本当はやりたいことがあるのに、お金がないために、何もできません。
まずはお金を稼ぐことと自分に言い聞かせ、来る日も来る日も身を粉にして働き続けます。
結局は体を壊し、精神にも不調を来してしまって、やりたいことをするどころか、お金を稼ぐこともできなくなってしまいます。
この人が見ている世界は、孤独と絶望の世界です。
ところで、同じようにお金がなくて、貧しい暮らしをしている人がいます。
この人は、そもそもお金に執着していません。
自分が食べていければ、それでいいと思っています。
それよりも、自分がやりたいことを実現することに、夢中になっています。
この人は、あれがなければできない、これがないとだめだ、とは考えません。
自分が置かれた環境の中で、手に入る物を利用したり、自分で創り出したりして、やりたいことを実現します。
他人から見れば、何だよそれは、と思われるかもしれません。
でも、そんなことは少しも意に介しません。
楽しむためにやっているだけですから、他人がどう思おうと構いません。
自分が楽しければそれでいいのです。
それに、誰もが認めてくれないわけではなく、中にはわかってくれる人もいます。
この人には、それで十分なのです。
この人の心は楽しさで一杯です。
この人が見ている世界には、楽しさの色しかありません。
こんな感じで、同じような状況、似たような環境にあったとしても、その人の物事の受け止め方や、何に意識を向けるかで、その人の世界は全く違うものになるのです。