振動とは その1
振動というと、何を思い浮かべるでしょうか。
地震?
工事現場?
マッサージ機?
何かが振動するという場合、私たちはそれを物体が、ブルブルと小刻みに揺れることを考えます。
では、電磁波というものはどうでしょうか。
電磁場には波長というものがあり、その波長の長さによって、可視光線や赤外線、紫外線、あるいはX線やマイクロ波など、様々な呼び名をつけられています。
私たちが目にすることができる可視光線も、いろんな波長の光の集まりです。
それぞれの波長の光はプリズムによって分散されると、七色の虹となって見ることができます。
逆に言えば、プリズムによって元の光が、いくつもの光に分散されるのは、それぞれの光の屈折率が異なるということであり、それは光に波の性質があるということなのです。
光は真っ直ぐに飛んで行きますので、小さな小さな粒子のように思われていました。
だから、実は波でしたと言われると、確認できないほど小さな粒の中で、波が存在しているということになります。
そうなると、光は直進しているのではなく、小刻みに揺れながら、全体的に見ると、直進しているように見える、ということになるのでしょうか。
そもそも振動すると言ったって、何が振動するのかと考えてしまいます。
でも恐らくは、小さな小さなエネルギー粒子が、あらゆる方向に小さく小さく振動しているのでしょう。
振動しているのはエネルギーそのものなのです。
また、いわゆる物質あるいは物体ではありませんから、プラスやマイナスなどの反発する力が関わっていなければ、エネルギーは重なることができるのです。
だから、いろんな波長の光が重なり合うことができるのですね。
でも、私はこの光のような小さな粒子の振動を、別な見方で見ています。
何かが上下あるいは左右などに振動する場合、どんなにそれが微少なものであったとしても、そこには空間としての要素が含まれています。
上下も左右も空間だからこそ、生じる変化です。
しかし、空間というものが絶対的なものではなく、一種の幻想であるとすればどうでしょうか。
たとえば、私たちが見る夢の中にも空間はあります。
夢の空間と現実の空間は、別物だと理解されるでしょうが、同じものだと考えて悪い理由はありません。
夢と現実は違うと区別したい人だけが、それぞれは全然違うものだと、何の根拠もなく主張するだけです。
どちらも空間であることには違いなく、夢の空間が私たちの意識が創り上げた幻想であるならば、現実と思われているこの世界の空間も、幻想である可能性はあるでしょう。
事実、私たちが形を認識できるのは、本来形がなく、重なり合えるエネルギーが、プラスやマイナスという電気的な力を持つことで、互いに引き合ったり反発し合ったりしているからです。
具体的に言えば、これらの電気的な力によって、原子が構成されています。
原子の表面はマイナスの電子で覆われていますから、物体と物体は、ある程度以上は近づけません。
互いの表面を覆っている電子同士が、強く反発するからです。
これによって、私たちは物に触れることができますし、物と自分を区別することができるのです。
そうでなければ、どんな物もすかっと通り抜けてしまったり、自分と重なってしまって、何が何やらわからなくなるでしょう。
私たちが現実だと考えているものは、このように電気的な力によって作られた幻影なのです。
では、空間というものが幻想であるならば、その中におけるエネルギーの振動というものは、どんな感じになるのでしょうか。