本当の強さ その3
一見、弱者に見える人たちが、本当に弱いのかを、検証してみましょう。
体力がない人、病弱な人、恵まれない環境にいる人、障害がある人。
こんな人たちは弱者と見なされてしまいますが、では、あなたがその人たちと同じ状況に置かれたとして、それに耐えられるかを考えてみて下さい。
いろんな不自由に制限される中で生きて行くことは、簡単なことではありません。
それを生き抜くだけでも、心の強さが求められますが、不自由を不自由とは感じないように、明るく楽しく生きる人の心は、強いという言葉を超えたところにあります。
他人から見れば、とても大変で苦痛に見える状況の中で、それをものともせずに生きている人がいれば、その人こそが本当に強い人と言えるでしょう。
自分に与えられた状況を素直に受け入れ、その中で自分らしさを失わずに、生きる喜びを見いだせる人。
こんな人は、他人と比べた時の自分の弱さを、全て認めて受け入れています。
決してそれを否定したり、自分を卑下して哀れんだりしません。
誰かに力を貸してもらえたら、素直に喜び感謝します。
また、自分でも誰かに力を貸す時があると理解しています。
苦しさや悲しさがあっても、そこから新たな感謝や喜びを見いだす力を持っています。
世間で一般に言われている強い人には、とても真似ができないことでしょう。
本当の強さとは弱さの中にあるものです。
誰かと比べるものではありません。
強さと弱さは対比の言葉であり、表裏一体です。
弱さがあるからこそ、強さがあるのです。
弱さが大きければ大きいほど、そこから生まれる強さは、比例して大きくなるのです。
本当の強さとは、自分の弱さを受け入れた時に出るものです。
弱さを否定するような強さとは、まがい物の強さです。
まがい物の強さは、一時的には人々の心を惹きつけるかもしれません。
でも、すぐに忘れられてしまいます。
それに対して、本当の強さは忘れられることはありません。
人々の心に深く感動を与え、いつまでも記憶に残るものです。
それが本当の強さなのです。