理解すること その2
今でこそ、新型コロナウィルスだと騒がれていますが、その昔はウィルスというもの自体が、知られていませんでした。
また、顕微鏡ができるまでは、生き物の体が細胞でできているということも、わかりませんでした。
子供でもウィルスや細胞のことを、知っている時代の人間から見れば、昔の人たちは何て無知だったのだろうと思うかもしれません。
しかし、それはわからないことですから、仕方のないことですし、今の私たちにだって、わからないことはたくさんあります。
未来の人類から見れば、今の私たちもひどい無知に見えることでしょう。
それと同じで、昔の人々に今の知識がなかったからと言って、その人たちが今の人たちより劣っていることにはなりませんし、不幸せだったと言うこともできません。
当時の人たちは、自分たちにとって普通の暮らしをしていただけです。
ただ、今の私たちとは世界観が異なりますので、何がよくて何がわるいのか、という基準も違いますし、何が幸せで何が不幸なことか、という価値観も違います。
地球は平面だと信じていた人たちには、わからなかったことが、地球は丸くて回転していると理解した人たちには、わかるようになります。
それはそれで世の中は便利になりますが、地球が平面だったという話がでたらめで、その頃の人たちは嘘の中で暮らしていた、と考えるのは早計です。
その人たちにとっては、地球が平面であるということは真実であり、その人たちはそういう世界に生きていたわけです。
それで何の不都合もなければ、それで構わないわけですし、それがその人たちの理解に基づいた世界なのです。
私たちは地球が丸くて、自転もしているし、太陽の周りを公転もしていると理解しています。
宇宙はビッグバンで始まって、どんどん遠くへ拡張しているとも考えられています。
でも、それが真実だという証拠はありません。
今の私たちが知る限りでは、それが真実であるように見えているだけの話です。
新たに全く次元の異なる情報がもたらされたら、今とは全然違う宇宙観を、持つようになるでしょう。
しかし、それは未来の話であって、現在の私たちにとっては、地球は丸くて回転するものというのが真実なのです。
それはつまり、そこが今の私たちの理解度であるということなのです。