何故戦うのか その5
人間だからこそ持つ知性とは、自分と他の存在とのつながりを、認識し理解できる力です。
一方、人間は他の動物以上に、自我を強く認識し、自分というものを常に強く感じています。
自分も含めて、様々な存在が数え切れないほどあると認識しながら、それらの存在が、実はみんな一つなんだと感じて理解するという、一見矛盾しているように思えることを、できるようになるのが人間としての成長です。
これができる人は、誰に対しても敬意を払うことができますし、誰とでも仲良くできます。
自然を愛し、世界との一体感を感じるのです。
争うことなど、頭に浮かぶことはありません。
考えるのは、いつも楽しいことばかりです。
その楽しさの基盤にあるのは、世界の多様性です。
いろんな生き物がいて、いろんな人がいる。
様々な存在があって、それで世の中はハーモニーを奏でながら活動している。
そして、自分自身もそのハーモニーの一つを奏でていると認識しているので、いつも楽しいのです。
国が違っても、民族や宗教が違っても、それが争いの原因になることはありません。
男なのか女なのかということなど、何も関係ありません。
年を取っていても若くても、まだ子供でも、とにかくみんなで楽しくやれれば、それが一番なのです。
恐らく、世界中の多くの人が、このような世界を望んでいることと思います。
しかし、そのような世界を実現させるためには、一人一人がそのような意識を持たねばなりません。
何故ならば、世界はみんなで築くものだからです。
土地を奪い合ったり、資源を奪い合ったり、威厳をひけらかしたり、軍事力や経済力を鼻に掛けるというのは、人間的知性はゼロ、あるいはマイナス状態です。
そんな人たちに自分の人生を預けたり、言いなりになったりするのはやめて、自分自身の心に従った、本当の人間らしい暮らしを求めることが、今の世の中に求められいるのだと思います。
今目にしている戦争や内戦も、人としての知性を働かさなければ、決して解決することはないでしょう。
逆に言えば、世界中が注目するような惨劇を通して、人間は本来の姿に戻ろうとしているのだと思います。