世界で唯一の存在 その3
自分を否定しがちな人は、どうしてそう思いたくなるのか、考えてみてください。
親に叱られた。
先生に相手にしてもらえない。
友だちがいない。
誰かに否定された。
何をやっても上手くできない。
他人に迷惑ばかりかけてしまう。
他にもあるでしょうが、大体はこんなところでしょうか。
しかし、これらは全て、自分が暮らしている環境や地域における、人々の価値観や考え方が、関わっていることです。
そして、それらの価値観や考え方は、どこでも通用する絶対的なものではなく、地域限定のものです。
正しいか正しくないかではなく、その地域で当たり前になっている、価値観あるいは考え方ということですね。
ただ、その地域で生まれ育った人は、外の世界を知りません。
どこへ行っても、同じようなものだと、勝手に思い込んでしまうのです。
この考え方を変えるためには、外の世界を体験してみることでしょう。
外へ出ることに気が引けるのだとすると、それは単に、自分が臆病だということです。
また、知りもしないのに、外の世界もこうだと、勝手に決めつける傲慢さが、あるということです。
自分は傲慢な人間じゃないと思うのであれば、思い切って外の世界へ出てみましょう。
そうすれば、場所によって人々の考え方が、全く違うということが、理解できるはずです。
自分がいた所では、否定されていたことが、違う所では、否定されないかもしれません。
むしろ、賞賛されることもあると思います。
自分には友だちがいないと思っていたのに、気がつけば、気を許せる仲間がたくさんできた、ということだってあるでしょう。
何かを失敗しても、それを悪いことだと考えない人は、いくらでもいます。
そういう人たちと一緒にいれば、自分を否定することが、馬鹿馬鹿しくなります。
自分を認め、他の人のことも認めると、世の中が多様性に満ちていて、それがとても楽しく美しいものだと、気づかされるでしょう。
自分も世界の一部であり、自分が自分でいるだけで、十分なのだと知ることになるのです。
自分を否定したくなったなら、新しいことに挑戦するとか、知らない所へ行ってみるなど、自分に新しい世界を体験させましょう。
それは、どんな立派な本を読んだり、どんな立派な先生の話を聞くよりも、確実にあなたに自信を取り戻させてくれると思います。