世界で唯一の存在 その2
誰かのことを、生きる価値がないとか、こんな奴は死んだらいいのに、とか言う人がいます。
その対象となっている人は、反社会的な行動によって、人々に大きな不安を与えた人かもしれません。
しかし、そうではない人に対しても、単に自分が気に入らないという理由で、その人の価値を頭から否定しようとする人がいます。
いわゆるイジメや虐待ですね。
子供の社会でもありますが、大人の社会でもあります。
どうしてこんなことが起こるのでしょうか。
実は、他人の価値を否定する人は、その人自身が自分の価値を認めていないのです。
自分なんか全然大した人間じゃない。
これから先、無事に生きて行けるのか自信がない。
誰も助けてくれない世の中で、何かが起こった時には、どうすればいいのかわからない。
お金や地位、権力、あるいは特別な才能や、コネ、助けてくれる人などが、備わっている人はいいけれど、自分にはそんなものは何一つない。
何事もないように暮らしていても、このような不安を、常に胸の中に抱えている人が、自分の気持ちを安定させようとして、他人の価値を否定してしまうのです。
誰かを否定することで、相対的に自分の価値を、見い出そうとするのですね。
否定される方には、もしかしたら否定する方が憧れる、何かがあるのかもしれません。
それをねたんで否定するということは、あると思います。
自分にないものを持っている者がいると、自信のない者は、その人を否定するか、逆になびこうとします。
自分に自信がある人は、自分にないものを持っている人を尊敬し、その人を自分と対等か、それ以上の存在として扱います。
誰がどんなものを備えていようと、それはその人の人生の一部であり、その人の個性の表れなのです。
一人一人が違うということを、理解している人は、相手を世界で唯一無二の存在だと認めますし、同時に自分のことも、世界で唯一無二の存在だと受け止めています。
誰かに否定されて、自分に自信を失う人は、相手が無知なだけであり、自分で自分を否定する必要はないのだと、いうことを理解して欲しいと思います。
また、誰かを否定してしまう人は、自分が自信がないということを、素直に認めて、その考え方が間違っているということを、理解して欲しいと思います。
双方が自分を認め、自信あふれる明るい人生を、手にすることができたなら、世の中はどれほど素晴らしいものになるでしょうか。