子供の心 その2
大人と子供の違いとは、何でしょうか。
大人は知識と経験があって、子供にはない。
そうでしょうか。
大人でも、いろんなことがわからない人は、たくさんいます。
経験があると言っても、それは長年勤めて来た会社の仕事のことだけ、という人もいるでしょう。
子供は大人が知らないような知識や経験があります。
それに大人が驚かされることは、少なくありません。
ただ、それを素直に認めて受け入れる大人は、少ないでしょう。
話を戻して、大人と子供の違いは何でしょうか。
体の発育状態。
そうですね。
それは正しいです。
でも、それは体のことであって、心のことではありません。
人間を心の存在として見た時、体の発育だけで、大人か子供かと区別することはできません。
では、心の存在として考えた時、大人と子供の違いはどこにあるでしょうか。
それは、子供は基本的に、自分を中心にしか、物事を見ることができないということです。
それに対して、大人は他人の目線で、物事を見ることができます。
ただ、それができない大人もいますから、子供と大人の違いというよりは、人間として成熟しているのか、未熟なのかの違い、と見た方がいいかもしれませんね。
多くの場合、子供は未熟な心の存在、大人は成熟した心の存在と、見ることができます。
中には、子供なのに心が成熟している子もいれば、大人でも未熟な心の人もいます。
もし、視覚的な体ではなく、心の成熟度で相手を認識するとすれば、生まれてから何年経っているのかに関係なく、成熟した心の持ち主を、大人と判断するかもしれません。
一般的に、子供は未熟な存在として見られますから、大人に対して、子供みたいという表現は、相手を低く見ている時に使います。
でも、子供は未熟だからこそ、自らの好奇心を、存分に働かせることができるのです。
大人の場合、成熟しているからというより、子供は未熟で優れていない者というイメージを持つことで、自分の好奇心を抑えてしまいます。
好奇心=子供 といような図式が、頭の中にあるからです。
子供を低く見ることで、好奇心の価値も低く見てしまうわけですね。
でも、子供は必要があって未熟な状態にあるのです。
それは悪いことではありません。
大人は子供と比べて、他人を思い遣ったり、周囲の状況や環境のことを、考えて行動することができます。
何も知らずに、思ったまま動き回る子供の場合、やはり誰かと衝突したり、怪我をすることがあります。
大人はそこを気をつけることができますので、子供よりも、ずっと安全で効率的なやり方で、楽しみを追求することができるのです。
子供の頃にはできなかったことが、大人であればできることは、少なくありません。
でも、子供心を失ってしまっては、せっかくのチャンスも失われてしまいます。
確かに、大人と子供の違いはありますが、子供を低く見てはいけません。
子供は純粋なエネルギーの塊です。
パワーです。
それを上手くコントロールしながら、的確に動けるのが、大人の特権です。
大人だからこそ、自分の中にある子供の心を、大切にしないといけません。