お金や注目とからめない その2
音楽が好きで、楽器や歌の練習を始めたとか、仲間とバンドを組んだとか、そんな人は音楽に夢中でしょう。
絵が好きで、いろんな美術館巡りをするだけでなく、自分でも絵に挑戦し、描きたいと思ったものを、どんどん描く。
こんな人も、絵に夢中になっています。
数学や物理などが好きで、いろんなことを調べたり、新たな法則を見つけようとしている時、その研究をしている人は夢中です。
スポーツを始めて、それが楽しくて仕方がないという人も、そのスポーツに夢中です。
食べることが好きで、いろんな美味しい物を、自分で創作し始めた人は、料理に夢中になります。
どんなことでも、自分が興味を持ち、そこに喜びや楽しみを見出せると、その人はそれに夢中になるのです。
夢中になっている人の頭の中は、自分がやりたいことで、一杯になっています。
それでお金を儲けようとか、みんなの注目を集めようとか、余計なことは考えていません。
経済的に苦しくても、なかなか上手にできなくても、夢中になっている人は、そんなことで手を休めません。
しかし、自分が夢中になっていることで、お金が稼げたらいいなと、考えるようになるかもしれません。
確かに、やりたくないことで稼ぐより、やりたいことで稼げたらいいでしょう。
自分が夢中になっていることで、世間の注目を浴びたいとか、有名になりたいと考える人も、いるかもしれません。
せっかくの喜びや楽しさを、他の人にも知ってもらえればと思うのは、自然なことでしょう。
でも、夢中になっていることで、お金を稼いだり、注目を浴びるようになると、自分がやっている事に対して、それまでとは違う視点を、持つようになることがあります。
つまり、それまでは純粋に、楽しいからやっていたことなのに、お金を稼いだり、注目を浴びるためにはどうするか、と考えるようになる可能性が、あるということです。
目的が変わってしまうわけですね。
やりたくてやっていたはずが、お金や注目のために、やらなくてはならない、という姿勢に変わってしまうと、楽しいはずのことが、次第に苦痛になって行くでしょう。
また、今まで自然に湧いて来たアイデアや力が、急に出て来なくなって、焦ってしまうかもしれません。
下手をすれば、楽しかったはずのことが、すっかり嫌になって、やめてしまうことも有り得ます。
そうなると、人生に喜びをもたらしてくれるものを、手放すことになります。
それはとても残念なことですし、残された人生が暗いものになるかもしれません。