無観客 その2
日常の暮らしの中で、孤独を味わっている人は、少なくないでしょう。
本当に周囲に誰もいない人もいれば、大勢の人間に囲まれながらも、その中で孤独を感じている人もいると思います。
自分なんか、誰も見向いてくれない。
自分には、魅力なんて、これっぽっちもない。
自分の気持ちを知ってくれる人がいれば、どんなに楽しいことだろう。
こんな風に、独りぼっちであることを嘆き続け、こんな人生なんかいらないと、生きることをやめてしまう人もいます。
でも、ここで考えて見て下さい。
この世界が何であるのか。
人生とは何なのか。
それがわからないのに、世界や人生のことを、自分で勝手にこうだと決めつけて、捨ててしまうのは、もったいないことです。
世界はここだけ。
自分という存在は、今の自分だけ。
人生は一回こっきりで、死んだらおしまい。
世の中のルールは嫌いだけど、従わなければ生きていけない。
こんな考えや価値観を持っているから、自分は独りぼっちだと感じたり、生きて行くことに絶望するのではないでしょうか。
世界はここだけではない。
自分という存在は、今の自分を越えた、もっと大きなものだ。
人生は何度も繰り返され、死んでも、また生まれ変わる。
世の中の納得いかないルールには、無理に従わなくても構わない。
こう思えるようになれば、人生はもっと気楽なものになり、たとえ一人きりでいたとしても、孤独を感じることはないでしょう。
今の人生は、自分が体験する数多くの人生の中の、一つであると考えて下さい。
本当のあなたは、こことは別の所にいて、人生というゲームを体験しているのです。
家やゲームセンターでゲームをしている時に、仲間や周囲にいる人が、あなたを取り囲んで、あなたのゲームを眺めているところを、思い浮かべて下さい。
ある人は黙って見守るだけですが、別の人は、そうじゃない、こっちだなんて叫んだり、また別の人は、あなたがどういう状況にあろうと、しっかり、がんばれと励まし続けています。
そして、あなたがステージをクリアできれば、全ての人が拍手喝采をして、あなたを祝福するのです。