伊予の軽井沢
今日、仕事で久万高原町という所を訪れました。
ここは松山から高知へ向かう、国道33号線沿いの町で、標高550~1,400メートルの高地にあります。
町の中心まで、松山から車で1時間弱で行けます。
久万高原町は、伊予の軽井沢と呼ばれるぐらい、涼しく過ごしやすい所です。
冬になると雪で真っ白になります。
スキー場もありますし、リンゴ栽培もしていて、麓の平地にある松山とは、別世界のようです。
近くには、西日本最高峰の石鎚山や、面河渓谷などの名所があり、自然豊かな地域です。
また四国遍路のお寺もあり、お遍路さんが訪れる所でもあります。
今日も五、六名のお遍路さんが、歩いているのを見かけました。
町と言っても、マンションのようなビルはありません。
山に囲まれた田畑と点在する民家という、昔ながらの山里と言った感じです。
夜の星空が自慢で、天文台まであります。
今日は仕事で、久しぶりに久万高原町を訪れました。
途中で、田んぼをのぞいてみると、ささっと水の中を、素早く動くものがいました。
それは、オタマジャクシでした。
以前に松山市内にある田んぼを、同じようにのぞいたことがあります。
でも田んぼに張った水に、生き物の姿はありませんでした。
学校のプールのように、ただ水が張ってあるだけという感じでした。
しかし、今日見た久万高原町の田んぼには、数え切れないほどの、オタマジャクシがいました。
もっとよく見ようと、足を一歩踏み出すと、何かちっちゃな生き物たちが、慌てたように足下を逃げ回りました。
見ると、それは1センチほどの、オモチャみたいなアマガエルでした。
恐らくオタマジャクシから、カエルに成長したばかりなのでしょう。
本当にきれいな緑色の、可愛いアマガエルたちでした。
田んぼの中には、オタマジャクシの他にも、アメンボもいましたし、小さな巻き貝もいました。
あんまりゆっくりしている、時間がなかったので、それ以上は探索する事は、できませんでした。
でも調べれば、もっと他の生き物を、見つける事ができたでしょう。
松山では滅多に見かけなくなった、モンシロチョウやシジミチョウも、飛んでいました。
足の近くでは、巣があったのか、たくさんのアリが、忙しそうに動き回っていました。
子供だったら、一日中そこにいても、飽きる事はないでしょう。
時の流れをさかのぼって、過去に戻る事はできません。
でも、自分の心は子供に戻る事ができます。
と言うか、大人になって還暦を迎えた今でも、子供の頃の私は、ずっと私の心の中にいるんですね。
普段は、大人の私の陰に隠れていますが、今日のような場面になると、大人の私を押しのけて顔を突き出し、好奇心一杯の目を、大きく見開くのです。
どうですか。
あなたには、そんな一瞬が、訪れた事はありませんか。
思いがけなく、子供心が姿を見せる瞬間です。
その瞬間だけ、私たちは過去の自分に戻ります。
現在ある余計な事は全部忘れ、目の前の興味を引かれるものに、釘付になります。
それはとても楽しい時間であり、自分をリフレッシュできる、機会でもあります。
あなたの中にいる、子供の心。
普段のあなたの陰に隠れながら、興味が引かれるようなものがないか、探っていますよ。
じっと耳を澄まし、目を凝らして、ワクワクする瞬間を、待っているんです。
ほら、わかるでしょ?