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四次元世界

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時間というものが、何なのか、昔からいろいろ議論はあります。
でも、本当のところは、よくわかっていません。

一般的には、過去から現在を経て、未来へと進んで行く流れを、時間と言うのではないでしょうか。
そして、過去から現在に至る時の流れを、歴史と呼んでいるのです。

古い記録や遺跡、あるいは化石などから、過去にも人間や他の生き物たちが、確かに存在していたと、私たちは理解します。
そこにロマンを感じ、タイムマシンがあれば、そんな過去をのぞいてみたいと望みます。

人間や地球の未来がどうなっているのか、それも見てみたいですよね。
タイムマシンで行けるのなら、行ってみたいと思う人は多いでしょう。

 ※Pete LinforthさんによるPixabayからの画像です。

だけど、私たちにとって、確かに存在している現実とは、今この瞬間だけです。
この瞬間と言っている間に、次の瞬間が現在になっています。
そして、さっきの現在はすでに過去になっているのです。

過去はどこへ行ってしまったのでしょう?
私たちに認識できないだけで、今もどこかに存在しているのでしょうか。
あるいは、消えてなくなってしまうのでしょうか。

それに、未来はどこから来るのでしょう?
いったい、誰が次の瞬間の未来を、決めているのでしょうか。
現れるということは、未来は見えていないだけで、すでに存在しているのでしょうか。

時間というものについて考えると、こんな疑問が出て来ます。
でも、結局わからないから、大概の方は考えるのをやめてしまいます。

それでも、四次元という言葉に出会うと、再び時間が登場します。
何故なら、時間軸が四次元世界の一つの要素だからです。

 ※PIRO4DさんによるPixabayからの画像です。

三次元というのは、縦・横・高さの三方向でできた、立体空間のことです。
三方向の軸があるから、三次元です。
そこに、もう一つの軸を想定した世界が四次元です。
そして、このもう一つの軸というのが、時間軸です。

零次元は点です。
一次元は線です。
二次元は面です。
そして、三次元は立体です。

零次元の存在が認識できるのは、一点だけの情報です。
この一点の情報が、時間と共に変化するとしましょう。
それをつなぎ合わせると、線になります。
一次元ですね。
この線は、零次元である点の移動方向と重なります。
この移動方向を決める軸が、零次元にとっての時間軸です。

一次元の存在が認識できるのは、線上の情報だけです。
時間と共に変化する一次元の情報を、並べて行くと面になります。
二次元ですね。
この並べる方向を決める軸が、一次元にとっての時間軸です。

二次元の存在が認識できるのは、面上の情報だけです。
同じように二次元の情報を、時間的に重ねて行くと、立体ができます。
三次元ですね。
この時の、面を重ねる方向を決める軸が、二次元にとっての時間軸です。

同様に、三次元の瞬間瞬間の情報を、時間軸に沿って並べます。
想像しにくいでしょうけど、それが四次元です。

たとえば、半径8cm の円盤の上に、外側から中心に向かって、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の、直径1cmの円を掻き込みます。

赤は中心から7~8cm、橙は中心から6~7cm、黄は中心から5~6cm、緑は中心から4~5cm、青は中心から3~4cm、藍は中心から2~3cm、紫は中心から1~2cmの所です。

七つの円は半径に沿って、一直線に並べる必要はありません。
上図のように、中心から見て、てんでばらばらの方向で構いません。

この円盤をゆっくり回転させると、七つの点が動いているのがわかります。
一つ一つの点が、ちゃんと認識できるでしょう。

しかし、円盤を高速で回転させると、どうでしょうか。

一瞬一瞬の点の位置がわからなくなって、全ての点の位置が重なって見えますよね。
つまり、丸い円盤状の虹が、そこに現れるはずです。

四次元的に観察すれば、どんなにゆっくり、円盤が回転していたとしても、これと同じような円盤状の虹が見えるでしょう。
四次元では、三次元での時間軸上の情報が、一度に認識できるからです。

 ※ArttectureさんによるイラストACからの画像です。

庭を犬が走り回っているとします。
その様子を四次元的に見たとすれば、全ての瞬間の犬の姿が重なって見えるでしょう。
犬が動きを止めて、じっとしていない限り、犬の色が作った線状の模様が、庭を埋め尽くしていると思います。

三次元の感覚では、それが何なのかは、さっぱりわからないでしょう。
でも、四次元の感覚では、犬が庭を走っているのだとわかるわけです。

ただし、私たちが四次元の存在であった場合、感覚機能が三次元とは異なる可能性があります。
今の説明は、あくまでも私たちが知る、視覚での説明です。

四次元では、別の感覚で状況を、認識しているのかも知れません。
そうだとすれば、私の今の説明は不適切です。

でも、いずれにしても四次元世界の様子など、三次元にいてはわからないと思います。

ただ理解できるのは、四次元世界では、三次元世界での時間軸に沿った情報が、同時に全てを認識できるということです。

また、四次元には四次元の時間軸というものがあるでしょう。
その時間軸を考慮すれば、五次元世界の存在を、知ることができるはずです。

三次元の私たちには、想像すらできないことですけどね。

 ※Nadeem SaleemさんによるPixabayからの画像 です。

話を戻しますと、四次元では三次元で言うところの、過去や未来を同時に認識できるのです。

打ち上げたロケットが、無事に飛ぶのか、途中で落ちるのかが、一目でわかるでしょう。

これから入る交差点に、信号無視の車が突っ込んで来るのも、一瞬でわかります。

はらはらするサッカーの試合も、その場で勝敗を知るでしょう。

原因があれば、同時に結果も出ます。
疑問は、すぐに答えとなります。
望みと現実は、同じ意味になるでしょう。

映画を観ようと思った途端、ストーリーも結末も、わかってしまいます。

ジェットコースターに乗った瞬間、ジェットコースターは終わります。

サプライズの誕生日パーティーをしようとしても、サプライズになりません。

何もかもわかっているようで、面白くないように感じるかも知れませんね。

でも、四次元世界にも時間軸があるのであれば、四次元世界なりの過去や未来があるでしょう。

ですから、四次元には四次元なりの、好奇心を刺激する楽しみ方が、あると思います。

四次元世界がどのようなものなのか、その具体的な様子はわかりません。

でも言えることは、時間軸がある以上、私たちにとっての過去や未来は、この瞬間も存在しているということです。

私たちが認識できないだけのことで、全ての時間は同時に存在しているのです。

私たちは、すでに存在している情報の塊を、時間軸に沿って順番に体験しているだけなのです。

 ※Gerd AltmannさんによるPixabayからの画像です。

では、運命というものは、決まっているのでしょうか。
それは、時間軸がたった一本しか、存在していない場合のことです。

情報の塊の上を走る時間軸は、途中に何度も、分岐点があるかも知れません。

それに、同じ情報の塊の上に、全く別の時間軸があるかも知れないのです。

異世界、あるいはパラレルワールドですね。

SF小説の中での話だけでなく、実際にそういう世界が存在している可能性は、十分にあると思います。

もし違う時間軸との接点があれば、知らない間に、知らない世界へ、迷い込んでしまうかも。

世界とは、考えれば考えるほど、不思議で面白いものですね。