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多数決の原理 その1

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多くの人の間で、何かを決める時に、よく使われるのが多数決です。

それは多くの賛同が得られた提案が、採用されるというものです。

全員が賛同すればいいのですが、一部に反対する人がいた場合、その人たちの意向は、特別の配慮がない限り、大抵は無視されてしまいます。

意見が真っ二つに割れた場合、たった一人の差で、どちらかの意見が採用されることになります。

この場合、そこにいる者のほぼ半分の人は、反対の立場ですので、一応の可決を得たあとでも、どんな問題や騒ぎが起こるかはわかりません。

反対ではあったけれど、実際に採択された提案が実行されると、思ったほどには悪くない、というのならいいのですが、思ったとおり、ひどい結果だと見なされると、大騒ぎになることは必至です。

様々な異なる意見を、一つにまとめることは、容易ではありません。

そのために一応の話し合いはしたあとで、多数決という形で決めるのですが、多数意見で決まったことが、正しいという意味にはなりません。

どんなに間違った意見であっても、それを認める者が多ければ、それは採択されてしまいます。

また、どんなに正しい意見であっても、それを訴える者の数が少なければ、それが採択されることはありません。

一見、合理的で比較的正しい選択がなされているように見えますが、結局は多数決というものは、力の強い者の意見が通るというシステムなのです。

子供の頃に学校で何かを決める時に、やはり多数決で決めることがあります。

その時に、単に数が多い者たちの意見が、優先されるべきなのだと、子供たちに覚え込ませてしまうと、その子供たちが成長して社会に出てから、問題を引き起こすことになるでしょう。