衣替え その2
季節に応じて衣服を変えるように、時代や状況に応じて、考え方を変えるのは、人間としての成長にも関わる、大切なことです。
もう、世界中の人が地球は丸く、宇宙には地球以外にも、生命が宿っている星が、無数にあると知っています。
それなのに、未だに世界は平面だと信じていたり、この広大な宇宙の中で、知性体が存在するのは地球だけだと思い込むのは、知性体としての人間の成長を考えた時、成長が止まっているように見えるでしょう。
新しい考え方が見つかったのに、古い考え方にしがみつくのは、何か理由があると思います。
衣服でも、冬だからと言って、暖かい日でも、オーバーに身をくるんでいる人は、そのオーバが大好きだったおじいちゃんの、形見なのかもしれません。
あるいは、たとえ暑くても、オーバーにくるまれていると、安心感が得られるのかもしれません。
それと同じように、状況が変わっても、古い考え方を捨てられない人は、何か理由があるのだと思います。
ただ、本人がその理由に気づいていない場合もあるでしょう。
その場合は、どうしてそんな考えにこだわるのか、と聞かれても、その人はうまく答えることができず、うるさいと怒鳴りたくなるかもしれません。
もし、その人の考え方を変えたいと思う人がいたら、その人自身が気づいていない、その考え方へのこだわりの理由を、一緒に探る必要があります。
いつからそんな考えを持つようになったのか。
その時に、どんな状況で暮らしていたのか。
何か心に残るような出来事はなかったのか。
そんなことを探って行くと、その考え方にこだわる理由が見えて来るでしょう。
そして、本当にその人がこだわっているのは、その考え方ではなく、別の事柄にこだわっているということが、理解できると思います。
これは、自分の性格が嫌だと思うような人も、自分で行えるものです。
自分がどうしてそんな風に思うのか、そんな風に考えてしまうのか、その理由を自身で探ることができるのです。
そうすれば、きっと自分に起こった問題や、自分が経験した出来事を、思い出せるでしょう。
そして、ある考え方を変えるというのではなく、意識全体が大きく変わるという経験を、することになると思います。
人間の成長で言えば、一段上に上がることができるということです。