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犯罪の抑止

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東京の京王線特急内で、乗客17人が負傷するという事件が起こりました。

負傷者のうち、70歳の男性は意識不明の重体です。

逮捕されたのは24歳の男性で、「今年6月ごろに仕事で失敗し、友人関係もうまくいかず、死にたかった。自分では死ねないので、2人以上殺して死刑になりたかった」などと話しているそうです。

被害者との面識はないようで、無差別殺人を狙った犯行だったようです。

以前にも、死刑になりたいと言って、無差別殺人を行った者たちがいます。

こういう者たちにとって、死刑は抑止力になりません。

それどころか、死刑を求めて犯罪を起こしているのです。

普通の感覚の人であれば、死刑は極刑であり、最も恐ろしい刑罰です。

こんなことで死刑になるのは、馬鹿らしいと思える人間であれば、犯罪を起こそうとしても、そのブレーキになるでしょう。

しかし、死刑のことが頭にない人間に対しては、いくら最高刑に死刑を設けていても、意味がありません。

また今回のように、死刑になるのが目的の者にとっては、死刑は抑止力ではなく、犯罪を増長させるきかっけになるわけです。

無差別殺人を起こす者がいると、大抵の場合、とても恐ろしい事件だと言い、事件を起こした人物や家族の情報を、徹底的に暴こうとします。

そして、全ては事件を起こした人間の異常さが、問題なんだとします。

場合によっては、その人物を育てた親や家族、あるいは学校に責任を、見出そうともします。

それで、何とひどい人間なのだと、みんなで散々非難して、二度とこのような事件が起こらないことを、心から願うなどと言うのです。

しかし、本当にそう願うのであれば、事件が起こった理由を、深く掘り下げて調べる必要があるでしょう。

何故なら、事件を起こした人物は、生まれたばかりの赤ん坊の時には、他の赤ん坊と同じように、真っ白な心だったはずです。

その人物を育てた家族や学校関係者などに、何等かの問題があったとしても、その人々もまた、生まれた時には、真っ白な心だったでしょう。

いじめが事件の原因であることも、よく見受けられますが、いじめをする人間や、それを黙って見ている人間も、みんな真っ白だった心が、汚い色に染まっているのです。

好き好んで、染めているわけではありません。
いつの間にか、染まってしまうのです。

みんな、生まれてから育って来るまでの間に、よくない気持ちを、知らない間にすりこまれているのだと思います。

本当に問題を解決するのであれば、このすり込まれた何かについて、議論をするべきなのです。

そうでなければ、似たような事件が繰り返されるばかりでしょう。

あるいは、もっとひどい状況になるかもしれません。

本当の原因について、深く掘り下げて行くと、もしかしたら私たちも、その原因に関わっている可能性も、あると思います。

全然関係がないと思われる人も、全く意識しないまま、そのような事件の原因に、関わっているとしたら、どうでしょうか。

本当の事件解決を目指すのであれば、事件を他人事と受け止めるのではなく、普段の自分たちの言動の中で、それを防げる工夫はないのかと、一人一人が考えないといけないと思います。

昔と違い、今は死刑という極刑でさえも、事件を未然に防ぐ効果は、薄れています。

今後は、刑罰によって犯罪を抑えるやり方は、限界を迎えることでしょう。

それよりも、教育や暮らしなどの中に、感謝や思いやりの大切さを、感じられるようにすることが、何より重要ではないでしょうか。