> 社会 > 世界事情・社会情勢 > どんな結果になろうとも

どんな結果になろうとも

この記事は6で読めます。
 ※Jackie RamirezさんによるPixabayからの画像です。

アメリカ大統領選挙は、まだ結論が出ないようです。

アメリカばかりでなく、日本でもトランプ氏が勝つのか、バイデン氏が勝つのかと、人々が大きな関心を寄せています。

その多くの人が、どちらが大統領になれば、日本に有利なのかとか、世界がどうなるのかと、そんな視点で見ているようです。

しかし、本当に大切な事は、誰が大統領になるかという事ではありません。

一人一人が自分の暮らしや世界について、どのように考えるかという事です。

日本に関して言えば、どちらが大統領になるかで、右往左往する事がおかしいのです。

残念ながら、今の日本という国は、アメリカに忠実な犬を演じる事で、世界情勢を生き抜こうと、決め込んでいるように見えます。

でも本音は、違うところにあるはずです。

本当は、他国の情勢に、左右されないのがいいのです。

経済的に逼迫する事があったとしても、一つの国として毅然とした態度を示し、世界を引っ張って行くような国で、ありたいはずです。

今の時代は、一人一人が自分の本音と向き合い、自分に正直に生きることを、求められています。

同様に、一つ一つの国も、自分たちの本音を確かめ、本音に正直に生きる事が、求められるでしょう。

人が本音で生きられなければ、病気になってしまうように、国も本音を表現できなければ、病んだ国になるでしょう。

ただし、その本音の中に、自分の国さえよければいいとか、敵とみなした国の滅亡を望むなどという、低俗で愚かなものがあったら大変です。

世界は争いだらけになり、最悪は第三次世界大戦へと、進む事になるかも知れません。

しかし、国の意識というものは、国民の全体意識でもあるわけです。

思考を放棄し、指導者のいいなりになっていれば、愚かな指導者が戦争を指示した時に、それに従わなければなりません。

何がよくて何が悪いのか、自分たちで考えて行動を取るならば、愚かな指導者のいいなりに、ならずに済むでしょう。

また、本当の指導者と呼べる人を、選ぶ事もできるのです。

 ※hebloさんによるPixabayからの画像です。

大統領に就任したトランプ氏には、既存の理屈は通用しませんでした。

そのため、トランプ氏は様々なやり方、考え方を壊して来ました。

それによって、多くの批判が集まりましたが、トランプ大統領以前の国の在り方が、正しかったという事ではありません。

正しかったとすれば、トランプ大統領以前のアメリカは、平和な楽園だったはずです。

現実には貧困や差別、暴力や略奪などの問題が、はびこっていました。

トランプ氏の行動は、何かと波紋を呼びますが、彼が悪で、それまでが正義だったという事ではないのです。

本当の意味での正義など、存在していなかったと言えるでしょう。

バイデン氏が勝利して、以前のアメリカに戻そうとしたならば、それは必ず失敗するでしょう。

昔のアメリカに戻る事は、問題の解決にならないからです。

トランプ氏は、その突拍子もない言動で、様々な問題を人々に投げかけました。

本当にこれでいいのかと、強引に考えさせたのです。

それによって、それまでは黙っていた人でも、自分の考えを述べるようになったと思います。

傲慢で自分勝手で、何でも損得で考えるトランプ氏は、まさに資本主義の権化です。

体裁を考えて、きれい事を並べていた政治家とは、全然違います。

つまり、体裁やきれい事をなくした、資本主義の本当の姿を、見せてくれたわけです。

そうやって、本当にこれでいいのかと、問題を世界中の人々に、突きつけたのです。

アメリカの下僕になるのが嫌な国は、国の威厳を保つために、どうするべきかを考えたでしょう。

それは日本も同様で、口には出さなくても、将来的にアメリカに振り回されないような、国造りを考えていると思います。

また、損得だけで動くような国はだめだと、多くの人が考えたのではないでしょうか。

多くの日本国民は、日本国憲法の改正よりも、今何をすべきなのか、これからの日本はどうあるべきかを、考え始めるでしょう。

アメリカ大統領選挙に話を戻しますと、アメリカ国民もこれまで以上に、自分たちがどうあるべきなのかを、真剣に考えるよう迫られています。

そして、それこそがトランプ大統領の功績だと、私は思うのです。

今はバイデン氏の有利が、伝えられています。
それでも、トランプ氏が奇跡の逆転劇を、見せる可能性は残されています。

いずれにせよ、どうしてアメリカ国民の半分が、トランプ氏を推すのかという事を、トランプ氏を拒む人たちは、深く考える必要があるでしょう。

自分たちだけが正しいという考えは、大抵の場合、間違っています。

 ※Isa KARAKUSさんによるPixabayからの画像です。

相手の立場を理解し、その言い分を全て聞いた上で、さらにいい方法を、ともに考えて行かなければなりません。

相手を否定してしまえば、それ以上の進歩は望めません。

一時的に自分たちが勝ったように見えたとしても、問題は炭火のようにくすぶり続けます。
そして、ある時に思いがけない大火となって、噴き出すでしょう。

資本主義経済は、何年も前から、その限界を露呈し始めていました。
この時期のトランプ氏の登場は、決して偶然ではありません。

そこに加えて、世界的な新型コロナ騒ぎです。
世界中の人々が、物理的・経済的・思想的に打ちのめされました。

これまでのやり方、考え方では、どうにもならないと、悟らざるを得なかったでしょう。
今は人類が思考や価値観を、変革する時期なのです。

これからどうなるのか、誰にもわかりません。

しかし少なくとも、これまでと同じ社会ではだめだというのが、多くの知識人たちの、共通した見解です。

とにかく大切な事は、どんな状況に置かれたとしても、一人一人が自分の生き方を貫く事だと思います。

多くの人が、争いを好むのであれば、世の中はぐちゃぐちゃになるでしょう。

しかし、どんなに気の荒い人であっても、争いだらけの世の中を、求めているわけがありません。

どんな人であっても、楽しく穏やかに暮らせる事を、望んでいるはずです。

そのためには、感謝と思いやりの気持ちが、欠かせません。

人々が感謝と思いやりに満ちていれば、争いなど起こりません。

国や地域の代表者も、自然とそういう人が選ばれるようになるでしょう。

誰が指導者になるかで、がらりと変わる世の中ではいけません。

世の中を動かすのは政治家ではなく、私たち一人一人の、市民であるべきなのです。