> 科学・哲学・心霊 > 心・意識・自分 > 脳と心 その6

脳と心 その6

この記事は3で読めます。

人間の脳が、他の動物の脳と違うのは、人間としての心の活動が、他の動物の心の活動と、異なっているからです。

人間以外の生物にも、好奇心というものはあります。

しかし、人間の好奇心は貪欲と呼べるほど、その限界を知りません。

自分たちに与えられた範囲を超えた所にまで、その好奇心を広げようとします。

そうして、それまで知らなかったことを知ろうとし、理解しようとします。

それは、人間としての自然な心の成長であり、個人レベルだけでなく、種としての人間に備わった、自然な性質なのです。

たとえば、昔は地球は平面的に捉えられていました。

それが、途中から宇宙に存在する一つの星であると、認識するようになりました。

地球が宇宙の中心ではなく、地球は数え切れないほどある、無数の星の一つに過ぎないことも、今では理解しています。

また、人類の起源、生命の起源、宇宙の起源などにも、興味の目を向け、それを調べて確かめようとしています。

人間とは何か、生命とは何か、世界とは何か、ということにも、関心の目を向けています。

そうして、新たに得た知識や経験によって、自分や世界の捉え方が、大きく変わって来るのです。

もし自分や世界を、三次元を越えた視点から捉えられるようになったなら、その人の世界観は大きく変わるでしょう。

自分というものを、ちっぽけな人間とは思わなくなります。

それは人類の進化であり、人間はそうなるようにできているのです。

そして、それらの知性がさらに発達できるように、脳は創られているのです。

それは別に、人間が他の生き物たちより、優れているという意味ではありません。

単に、人間は知性を発達される類(たぐ)いの、存在だというだけのことです。

脳の形や機能が、心の状態に応じたものであるならば、心が発達して、新たな進化を迎えた時に、脳もそれに応じた形態に、変化すると思われます。

映画に出て来るような、頭が大きな宇宙人のような姿に、なるのかもしれません。

いずれにしても、人間の脳が知性を発達させるように、創られているのであれば、それは人間の心がそのように進化すると、示してくれているわけです。

人間は単にお金や快楽を求めて、ただ長く生き長らえるためだけに、生まれているのではありません。

本来の性質である、知性の発達にこそ、目を向けるべきでしょう。

知性と言うと、いわゆる学問的なこと、科学的なものにばかり、目を向けがちです。

でも、本当の知性とは、自分たちと他の存在とのつながりを、理解できるものです。

そこには相手への理解や思いやり、敬意や尊厳があります。

偏った知識ばかりがあって、他人の痛みがわからない人たちは、知性があるように見えても、本当は知性の低い人たちです。

本当の知性とは何か。

それをまず理解するべきですし、そうすることこそが、人間の自然な成長なのだと、人間の脳が教えてくれているのです。