原爆の話 その3
一人一人が正しく考えられるようになれば、原爆は自然になくなります。
では、正しく考えるということは、どういうことでしょうか。
それは不安や恐れの原因を探り、自分たちが不安も恐れも、抱く必要がないと知ることです。
何故、不安や恐れを抱くのでしょう。
それは、相手が攻めてくるかもしれないとか、相手から何かひどい目に遭わされるかもしれないと、考えるからです。
しかし、肌の色が違っても、喋る言葉が違っても、崇拝する神が違っても、みんな同じ人間です。
今の見た目が違っても、元はみんな兄弟姉妹であったということは、考古学的にも明らかです。
それなのに、どうして争ってしまうのか。
それは見た目の違いが問題なのではありません。
自分だけが助かろう、自分だけがいい思いをしようという、他者を切り捨てるような発想が悪いのです。
かつては、誰かを踏みつけてでも、自分が生きるしかなかったという時代が、あったのかもしれません。
でも、今はそんな時代ではありません。
互いに手を取り合って、困った者を放って置かない。
これが今の知性あふれる人々の考え方です。
国同士は争っていても、個人レベルでは相手を敵とは見なさずに、互いに手を取り合って生きている人は、いくらでもいます。
しかし、地位や権力、お金や名声を手にした人たちは、それらを維持したくなりますし、より多くの同じものを、手に入れたくなるものです。
こうした人たちが世の中を動かす位置にいて、一般の人たちを翻弄させるのです。
でも、普通の人々が互いに助け合って生きるようになれば、こういう人たちの支配に入ることはありません。
世の中は本当の平和と安らぎに満ちたものになるでしょうし、どこかの国を敵と見なすような者がいれば、頭がおかしいと思われるでしょう。
原爆をなくすためには、どうすればいいのか。
それは一人一人が他者への思いやりを持ち、自分自身の誇りを取り戻すことです。
誰かの下につかなければ生きていけないという考えを、捨て去ることです。
今の若い人たちは、組織に入って上を目指すことよりも、気の合う者同士が集まった仲間といることを、好んでいます。
これからの企業は、そのようなスタイルの所でなければ、やる気のある人材が集まらなくなり、維持することが困難になるでしょう。
原爆をなくすための動きは、全然関係ないと思われるところで、実は違う形で密かに広がりつつあります。
若い人を中心に、もっと多くの人々が自分たちの生き方をするようになった時、意外に簡単に原爆はなくなることでしょう。