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何故戦うのか その4

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個人レベルでの争いが起こるのは、争いを起こす人たちが、孤独を感じているからです。

自分と自分以外の人との間に、いい関係を築けないために、相手のことを大切に感じられないのです。

ですから、相手に失礼な態度を取っても平気ですし、気に入らなければ、平気で相手を傷つけるような言動を取ります。

それで相手がどうなろうと、何とも思わないのです。

でも、この人たちも生まれて来た時には、他の人たちと同じような、可愛らしい赤ちゃんだったはずです。

それなのに、周囲との関係が築けない、孤独な人間になってしまうのは、この人が他の人といい関係を築ける機会が、少なかったのだと言えるでしょう。

それはその人個人の責任ではなく、世の中のあり方に問題があると思います。

お金がある人や、学歴のある人、力のある者とつながりがある人、なんかが、うまく世渡りができるようになっているので、そうでない人たちは、日々の暮らしが大変です。

それでも何とかやって行っている人が大半でしょうが、中にはついて行けない人もいます。

そういう人は自分だけが取り残されたように孤独を感じ、自分ではどうすることもできないと、絶望するのです。

だからと言って、みんなが積極的に争うようになるわけではありませんが、他人との共感ができないので、他人に迷惑になるような行為を、平気でやってしまうかもしれません。

自分の孤独をごまかすために、無理なことをして人の注目を集めようとしたり、いつも人を見下すような態度を見せることもあると思います。

同じような環境の中でも、その経験の中からいろいろ学んで、立派になる人もいます。

ですから、そういう意味では、この人たち自身にも、孤独から抜け出せない責任はあります。

でも、それ以前に、誰もが自信を持てるような社会であれば、今より孤独を感じる人は減り、無用な争いごとも目にすることはなくなるでしょう。

社会というものは、一人一人の人間で構成されているものですが、その社会が人々に対して、本当の仲間、本当の家族という環境を提供できないからこそ、孤独を感じる人が増えるのです。

社会にそんな問題があるということは、その社会を構成している、私たち一人一人が、普段からそのような意識を持っていない、ということを示しています。

どこかで事件が起こった場合、自分には関係がないように思いがちですが、本当はそんな自分の意識の持ちようこそが、いろんな事件を引き起こす要因になっているのです。